ギリシャの気候の体育館

今年の夏の大きな出来事の一つと言えば、やっぱり2020年のオリンピック開催地として東京が選ばれたことではないでしょうか。ところで、このオリンピックの起源の地としてよく知られているのが、ギリシャです。はじめ、オリンピックは、神へとささげられた神事でありました。オリンピックの開催時は、戦争を停戦するという今に続く伝統が生まれたのもこの時であり、その所以も神事であったことを考えれば納得がいくものです。

レスリングやボクシング、円盤投げ、競走、球技など、いまも多くの人が互いに切磋琢磨し鎬を削る競技の多くは、すでにこのギリシャの時代にあったといわれています。一方で、成熟した文化としてギリシャに比べられるエジプトや、ローマの文化では、このギリシャのオリンピックほど盛大にして豊かなスポーツの祭典は行われていませんでした。

なぜ、これほどまでにギリシャのスポーツ文化は発展をとげたのでしょうか。その主な原因の一つとして、ギリシャの恵まれた気候を考えることが出来るでしょう。一年中温暖で乾燥した地中海性の気候はギリシャの風土に太陽の豊かな明るさをもたらし、地形は、山にも海にも恵まれ、自然は雄大でした。ギリシャの優美で力強い彫像のように、この地におりたてば、堅苦しい衣服など脱ぎ捨ててしまい、体の内側から湧き上がってくるエネルギーに身を任せ、のびのびと野山を駆け回り、輝く海へと飛び込むことでしょう。素晴らしい気候からはスポーツはごく自然に生まれてくるということが、わかるはずです。

こんなギリシャの気候が体育館の中にあったらどうでしょうか。いつでもひんやり涼しくて、からっと乾いていて、柔らかい明るさとさわやかな風とが通り抜けるギリシャのどこかの、木陰のような体育館。ピーエスは、スポーツ環境における気候の大切さを考えています。そこにいるだけで、からだが動き出してしまいたくなる、もっともっと動きたくなる、ギリシャの空の下にいるみたいな室内気候。東京の体育館に、こんな気候はいかがですか。

PS dialogue 2013.9

 

 

 

 

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