季節に寄りそう

いまは、秋でしょうか。それとも冬でしょうか。気温はぐっと下がって冷え込む日もあって、ダウンコートや羽根布団のぬくぬくとした暖かさが、いまは冬だ、と告げているような気もします。けれども、ここでちょっと窓をあけて、外を眺めてみましょう。木々は、赤や黄色に鮮やかに色づき、冬が来る前にいのちの最後の炎を燃やし尽くそうとしているかのようです。では、まだ秋なのでしょうか。

暦で言えば、立冬を越えれば冬です。気象庁は、最低気温が0℃を下回る日を冬日としています。もう立冬は過ぎました。だから暦の上では、冬のはずです。でも、まだ東京の最低気温は0℃からは程遠いのですから、やっぱり秋なのでしょうか。

もしかしたら、秋でも冬でもないのかもしれません。今では季節を4つに分けて、春夏秋冬で四季言われるようになりましたが、むかしの日本人は、二十四節気といって24にわけたり、七十二候といって72にわけたりしていたのです。1年365日を72で割ると大体5日になります。つまり、昔の人は、およそ5日も経てば季節はかわると感じていた、ということです。そう考えると、わくわくしてきませんか。5日後にはどんな変化が、どんな新しい季節がやって来るのでしょう。

季節が72もあると感じていたころ、ひとびとは、今よりもずっと気候や自然の変化に鋭敏であったことでしょう。日の出とともに起き、旬の実りを食べ、いつでも風が通り抜ける開放的な家屋に住んでいました。季節に寄りそって暮らしていたのです。さあ、わたしたちも大きく窓をあけましょう。そとから滑り込んでくる季節の気配を感じましょう。ピーエスの第二の自然は、自然の力を活かして快適をつくる考え方。第二の自然で季節に寄りそう暮らし、はじめませんか。

PS dialogue 2013.11

 

 

 

 

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