とある空港で

先日飛行機に乗り、とある空港に到着するころに体調が悪くなった。搭乗口から降りたところでキャビンアテンダントが様子に気が付き、大丈夫ですかと声をかけてくれた。ちょっと横になれば回復しそうなので、少し休ませてほしいと私は伝えた。2人のスタッフが、椅子を窓際に3客用意してくれ、水などを持ってきてくれる。パーティションで隔離してくれた。救急車を呼ぶこともできるとしきりに話しかけてくれる。ただ休ませてほしいだけだと話し、椅子に座って休んでみる。ところが!この窓際が、とても暑いのだ。太陽の日射が入ってくる。ガラス窓のコールドドラフトがありがたいほどに、太陽の熱が強いのだ。とても休んでいられない。どこか別の場所で横に慣れるところをお借りできないかと、もう一度頼んだ。そこで、空港の休養室を借りられることになった。

空港の休養室は搭乗口からは結構離れている。キャビンアテンダントは車椅子に私を載せ運んでくれた。点字ブロックや段差などで乗り心地は結構ごつごつとしているのを感じた。普段歩いているときには気が付かないことだ。やっと休養室に到着。ベッドが3台ある。この部屋の使用には申込書が必要で、目安は1時間とのことだ。窓の無い部屋なので、暑いことはない。30分ほど横になる。なんとか体も回復し、お礼を述べて退室した。

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手を貸してくれた方々には感謝の気持ちである。ただし、なんとなく、たらい回しにされた気がしたものだ。ほんのちょっと、搭乗口近くの待合室の一角に横になれる大きめの椅子があって、観葉植物などで日射や視線が遮られていたら、そこで少しだけ休むことですぐに回復したようにも思われる。

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私たちの身の回りには、頭でわかっていても、実際に体で経験してみなければわからないこともたくさんある。何がその人にとって必要なサービスであるかは、臨機応変に、実際的に考えないと、到底わからないものである。


PS dialogue 2014.2

PS dialogueを読んでくださった方にも、辛口なコメントをいただければ幸いです。

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