オフィスの生態学

 


もしあなたが動物園の動物だったら?もし一日中限られた空間の中で過ごすサルやバクやカメレオンだったら?どんな気候がほしいですか。
変化の感じられない一定の環境だったら、とってもストレスを感じそうです。 ひなたぼっこをしたいときもあれば、木陰でゆっくり休みたいときもあるでしょう。ちょっと運動したあとは風がよく通るところで過ごしたい。でも食事中に風が吹いてきたらちょっとジャマ。ほしいのは、一日の太陽の動きが感じられて、外の気候と連動した、自然な変化と心地良いムラのある気候。それから、そこで共生する植物は?動物がのびのび活動する動物園には、植物もぐんぐん生長できる気候があります。ある飼育員の方が教えてくれました。動物も植物も元気な動物園には、動物自ら快適を創造できる、柔軟で自然に近い気候デザインがあります。

では、限られた空間の中で一日を過ごすオフィスの住人だったら、どんな気候がほしいでしょう。動物園の動物になった気持ちで考えれば、なんだか答えが出てきそうです。

不快な気候のオフィスは、強いものだけが生き残る過酷な淘汰の世界。夏に一日中どこでも冷房がきいたオフィスで、ブルブル震えたり咳き込んだり、しまいには体調を崩したりする人がいないでしょうか。とても創造活動ができる状態ではないでしょう。オフィスの中も廊下も会議室も同じように冷えていたら、ちょっと歩きながらアイデアを練ろうかというアイデアも浮かばないかもしれません。

まずは外の気候をベースとした、自然に近い快適さがほしいと思いませんか。あとは工夫しだいで、いろいろな快適さがつくれます。頭が冴えるための、きりっとした涼しい秋の気候をつくったり、夏の元気な気候を感じながらアイデアを練るための、外の気候と中の気候が交じりあう、オープンな空間をつくったり。

ピーエスは、人がのびのび活動できるオフィスの気候をデザインします。人の活動のための気候デザインは、植物や動物のための気候デザインと、もしかするとコンセプトとしては変わらないかもしれません。それは、自然をベースとした、いわば生態学的な気候デザインです。

PS dialogue 2014.7

 

 

 

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