極上のクロークのために

こころゆさぶるようなコンサートのあと、

新しい出逢いのほのかな緊張と興奮に満ちたパーティのあと、
クロークでコートを受け取るとき。
袖に腕を通す瞬間、
夢のような時間から、現実に戻ってきます。
コートの裏地はひんやり冷たくて、肩にひっかかるコートが冷気を含んでちょっと重たくて。
まるで、これから家までの道で、頬を刺すだろう冷たい外の空気がすこしはやく訪れるようで。

クロークがPSgarderobeなら、コートはふんわりかろやかになりほんのりあたたかくなる。
はおってみた時にわかります。
コートが体温であたたまるまで待たなくてもだいじょうぶ。
すばらしかったあの歌の、あのお芝居の夢からもう少しの間覚めなくてもいいように、
やわらかい放射の熱をふくんで軽くなったコートが冷たい外気からあなたをやさしく守ります。

クロークにPSgarderobeがあったら、帰り道も夢の時間はまだまだ続くのです。

PS dialogue 2015.1

 

 

 

 

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