東京初夏の家

私は初夏が好きです。春から夏へ季節が移り替わるころ。雨の日も晴れの日も、どこか夏を連れてくるような気がします。初夏というのは一年のうちのどれくらいでしょうか。一週間、二週間くらいのような気もします。初夏は自然のいろいろな力をより感じます。先週まで花が咲いていた木に今度は新緑が茂っていて、いつのまに?と驚きます。太陽の強さが増す一方で、木陰の涼しさの気持ちよさを感じます。南風が雨雲をつれてきて、しっとりとした空気で満ちた公園の緑は一段と輝いています。早起きしたら日の出に間に合うこの季節、空が黒から紺色へ、そして薄紫から明るい水色へと刻一刻と変化するのを見ることができます。初夏は素晴らしい。そして東京が初夏のとき、九州は夏、北海道は冬の終わり、東北は春というふうに、日本のそれぞれの地域で季節が異なるのもこの時期だけだと思うのです。

さて、東京初夏の家と呼ばれる家があります。初夏の家には子供たちがたくさんいます。東京の初夏の気候はとても快適です。その外の自然の気候を、室内の気候として受け入れましょう、というコンセプトでつくられたそうです。そして、夏も秋も冬も春も、初夏のような室内気候にしようという思いが込められているそうです。初夏のような気候ですから、朝は涼しく、昼は暖かく、夜もまた涼しくて、空気は爽やかで。変化があるから、子供たちも健康に成長します。変化がなければ環境適応ができなくなってしまいますよね。東京初夏の家では、子供たちは楽しそうにのびのびと活動しています。

PS dialogue.2013.05

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