漢字の気候 2

 

今回は、お互いに依存しあって、切っても切れない関係の「湿」と「温」のお話です。

 

 

 

 

 

 

「湿(濕)」の漢字は「水」と「日」と「糸」からなっています。
それは、太陽の下で、水に生糸を浸して水分を含ませ、やわらかくしている様。
「湿」は水や川そのものではなく、 濡れた糸を通してはじめて”見る”ものだったのではないでしょうか。
みなさんはどんなとき「湿」を実感しますか?
ゆがんだ木材やカビの生えた壁などから”見”たり、あるいは、楽器の音色の変化から”聴”いたりするときでしょうか。
扉の閉まりぐあいや髪の毛の伸縮ぐあいかもしれません。
いろいろなところに「湿度計」はあるんですね。

 

 

 

 

 

「温」は旧字体では「溫」と書きました。
お湯で煮たりして作った温かい食べ物を皿の上にのせて、湯気がみちた状態を描写していると言われています。
「暖」は太陽のもとで感じられる自然のあたたかさですが、「温」のあたたかさは、もともと温かい料理を発明した人間の特権なのかもしれません。

 

PS dialogue 2014.6

 

 

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