十勝の気候とチーズ

 

1月の十勝。
美しい雪景色が広がる季節に、牛の育成からチーズの生産まで行っている酪農家を訪問させて頂きました。

“チーズは熟成庫が命です”というその方は、温度湿度の管理を測定器の数値だけに頼ることはなく、毎日熟成庫の環境を肌で感じ取り、調整をしているそうです。
加湿器を使うだけではなく、熟成庫の壁の素材や換気のデザインなど、自然な涼しさを作りだすための工夫も色々と行われておりました。

しかし近年は、気候変動の影響で十勝の夏も長くなり、熟成庫の温度が上がりやすくなり環境も改善を余儀なくされている、とのことで、色々と試行錯誤は続いているとのことでした。

その方とのお話しの中で印象的だったことは、
チーズの熟成庫の環境は洞窟やトンネルのような安定しておりかつ自然の変化がある涼しい環境が理想で、実は一定の環境よりも、微妙な変化がチーズに絶妙な味を乗せている、ということです。

その話をお伺いしながら、ピーエスの除湿型放射冷暖房PS HR-Cでデザインされたピーエスの岩手県のオフィスPS IDICを思い出しました。そこでは、毎年ハイビスカスが咲き、バナナが実ります。植物の専門家の方によると、植物は、一日の変化や季節の変化がないと、花をつけたり実を結んだりすることは難しいので、室内でこのように成長していることは驚くべきことだそう。

チーズも植物と同じように、生きてるのだと実感した体験でした。

チーズと言えば、ヨーロッパのチーズには、ゴーダ、カマンベール、エメンタールなど地名を見かけることが多くあります。
十勝の気候風土に育ったチーズも、十勝固有の名前で広まっていく予感がいたしました。

PS dialogue 2017.3

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